ごあいさつ・理念・沿革
greeting / philosophy / history
理事長・院長ごあいさつ
桜ヶ丘記念病院は、1940年に精神科・神経科専門病院として開設され、当初より医療と福祉の連携、公共的で民主的な姿勢に基づいた病院運営を志向してまいりました。早い時期から患者さんの人権を尊重した開放的処遇に努め、豊かな自然に恵まれた広大な敷地を利用して活発なリハビリテーション活動を行い、患者さんの社会復帰に力を注いで参りました。
近年はアメニティの改善を図りながら全病棟を機能別に再編成し、精神科救急入院料病棟、アルコール疾患、認知症疾患、老人・合併症等の各専門病棟やリハビリテーション病棟、精神療養病棟等を整備し、それぞれの病棟が多彩な治療プログラムを用意することによって、個々の患者さんのニーズに即した、より個別的な治療を行う体制が整いました。
また、アルコール疾患、認知症疾患、認知行動療法等各専門外来、更にはデイケア、訪問看護、ホームヘルプサービス等を中心に、外来治療と地域ケアの一層の充実を図ってまいりました。
2008年3月には電子カルテを導入し、それによって多職種間での情報の共有、情報の一元化が促進され、医療安全も含めた医療の質の更なる向上を追求する上で、極めて有効なツールとして機能しております。
今後私どもは、心身医学やメンタルヘルスのより広範な領域にも対応可能な総合的精神科専門医療機関として、従来の精神病院のイメージを一新し、より質の高い精神医療の実践を目指して歩んで行きたいと考えております。そして、「心の世紀」といわれる21世紀のノーマライゼーションとパートナーシップを目標として、当事者の皆さんや市民の方々の期待に応えるために、今後一層の工夫と努力を重ねていく所存です。どうぞ宜しくお願いいたします。
桜ヶ丘記念病院 院長
社会福祉法人 桜ヶ丘社会事業協会
理事長 岩下 覚
理念
私たちは患者さんに信頼される良質な医療を提供いたします。
基本方針
基本的人権に配慮し、医療倫理に則り、患者さんの意思決定を最大限尊重します。
患者さんが自立した生活を営むことができるよう地域と連携し、多職種が協働して支援いたします。
患者さんの権利
- 私たちは病院の理念と基本方針に基づき、患者さんの以下の権利を尊重いたします。
- いかなる患者さんも人格を尊重され、差別なく安全で適切な医療をより良い療養環境の下で受けることができます。
- 患者さんは医師や医療機関を自由に選択したり、他の医師の意見を求めることができます。
- 患者さんは医療について十分な説明や情報を得たうえで、同意あるいは拒否することができます。
- 患者さんは診療記録の開示を求めることができます。
- 患者さんは医学研究や医学教育に対する協力を拒否することができます。
- 患者さんの診療情報やプライバシーは保護されます。
- 患者さんは病院に対して意見や要望を述べることができます。
沿革
桜ヶ丘記念病院は、「東京市方面事業後援会」(現在の東京都民生児童委員連合会)が精神障害者の救済と福祉活動の実践のために計画した精神科・神経科の専門病院で、1940年11月3日に「桜ヶ丘保養院」として開院いたしました。
開設にあたっては、この事業目的に賛同された皇室から皇室内の侍医寮・事務室などの建物の御下附を受けるとともに、財団法人三井報恩会から建物の助成金を、慶應義塾大学医学部から診療スタッフの派遣と医療機器・学術図書の寄付を受けるなど、各界の多大なご支援を賜りました。
以来、今日まで社会福祉の理念に基づき「医療と福祉の連携」を診療活動の基本姿勢として、専門領域の困難な課題に対して先駆的な取り組みを行ってまいりました。
地域における当院の役割と機能
当院は、従来より、東京都および多摩地域における精神科基幹病院として、また、社会福祉法人立の精神科病院として、以下のような役割と機能を果たしてきております。今後もそれらの役割、機能を維持、強化するとともに、地域の様々な要請に応えて、常に新たな取り組みを模索、検討することを基本姿勢としております。
すなわち、生活保護受給者のみならず、ホームレス、DV被害者、外国人等を対象に無料低額診療事業を実施するとともに、東京都精神科救急医療システムに積極的に参加し、また、東京都あるいは多摩地域の健康増進活動、保健予防活動等に積極的に取り組んでまいりました。
そして今後は、地域の総合病院、クリニック等の医療機関、その他の関係機関との連携、交流を一層深めるよう努力するとともに、自殺対策や認知症の問題等、地域の要請にこたえてメンタルヘルスのより広範な領域に対応してまいります。